借金の時効到来で本当に借金を払わなくてもいいのか?

借金の時効到来で本当に借金を払わなくてもいいのか?

 

自己破産,借金の時効

様々な事情により借金を重ねて、やがて返済不可能な債務超過状態に陥ってしまったら、あなたならどうしますか?

 

 

借金生活で、精神も不安定となり、一般生活にも支障が出てくるようになると、多くの人は自力で返済できない借金に対しては債務整理で解決しようと考え始めます。

 

 

一般的には、このように債務整理による借金の打開策を取る人が多いのですが、中には違う解決法を狙う人々も一定数います。

 

 

それは「借金の時効」を援用するという方法です。

 

 

すなわち、多重債務からとりあえず夜逃げなどで逃げ出し、行方をくらまして、債権者の借金の取り立てから逃げるという選択肢です。

 

 

その多くは、自分の地元から遠く離れた地方でネットカフェ難民となって暮らしたり、中にはホームレス生活を送りながら、転々と居場所を変える人もいます。

 

 

これら、ネットカフェ難民として寝泊まりしていたり、ホームレスになったりしている人の多くは、まったく収入がなかったり、日雇い労働などで収入を得ても、その日暮らしのお金で精一杯だったりします。

 

 

なので、借金を返すような余裕はどこにもないわけです。

 

 

しかも、住民票の書き換えや、住所も落ち着くことがないため、連絡手段がなくなり、債権者としても連絡のと利用がなくなります。

 

 

このように借金の取り立てから逃げ回っている人々の最終的に目指す先にあるのが、借金の時効という目標なのです。

 

 

この記事では、夜逃げなどで、債権者から逃げて、居場所を転々としている人たちが、実際に借金の時効を目指せるものなのかについて少し掘り下げて考察していきたいと思います。

 

 

 

借金の時効とは?

皆さんは、「時効」というと何を連想するでしょうか?

 

 

最近だと邦画で話題になった『64-ロクヨン- 』のように、未解決事件を扱った映画やドラマなどのミステリーでよく耳にする言葉だと思います。

 

 

日本の歴史上では、白バイになりすまして見事に現金輸送車を騙し取った「三億円事件」なんて現金強奪事件も有名な時効が成立した未解決事件として有名ですよね。

 

 

さて、この「時効」、何もこのような事件関係だけではなく、借金の時効というものもあるのです。

 

 

つまり「借りたお金を返さなくてもよくなるタイムリミットがある」ということです。

 

 

借金の時効は商法522条に規定されており、借金は最後に返済してから、5年以上経過している場合には、原則として「時効」に係わり、返済する必要が無くなるというものです。

 

 

つまり、借金をしたら原則としてお金を返すことは当たり前のことなのですが、もしも5年以上返さなかった場合には、借金の時効が成立し、債権者が「貸した金返せ!」という権利そのものが消失してしまうというものです。

 

 

これは個人だけではなく、金融業者や貸金業者など、商売でお金を貸すことを生業としている業者にも当てはまり、最後の返済から5年以上が経過し、「借金の時効」が成立した場合には、「お金を返せ」と言う権利自体が消失してしまいます。

 

 

「道義的に納得いかない!」とか「モラルとしておかしいんじゃないのか?」と憤る人も多いと思いますが、商法という法律で決められているルールなので仕方がありませんね。

 

 

多重債務に苦しんでいる人が借金の取り立てなどから逃れるために、夜逃げなどで行方をくらますのは、借金の時効を狙って、あちこち居場所を転々としているかも知れませんね。

 

 

 

借金の時効を適用してもらうには?

自己破産,借金の時効
では、債権者の前から姿をくらまして、居場所を転々としながら、5年以上が経過してしまえば、自動的に借金の時効は成立するものなのでしょうか?

 

 

いいえ、そうではありません。

 

 

借金の時効を有効にするためには、お金を借りている債権者(多くは消費者金融などの貸金業者)に対して、債務者自身が「私は、借金の時効を援用します」という通知を行うことが必要になります。

 

 

援用というのは、主張するという意味です。

 

 

つまり、借金の最後の返済から5年が経過すれば、自動的に借金の時効が成立するのではなく、お金を借りている債権者側に「消滅時効の援用」の通知を行って初めて、消滅時効という借金の時効の効果を得ることができるわけです。

 

 

具体的なやり方としては、「消滅時効を援用します」といった通知を確定日付が証明できる内容証明郵便などで郵送するといったやり方が一般的です。

 

 

この借金の時効、すなわち消滅時効に関する書類は、郵便局の窓口において入手することができ、その書き方も窓口で教えてもらえます。

 

 

尚、この借金の時効である消滅時効は、最後に借金を返済した日から5年が経過するまでの間で、債権者側が裁判所を通した請求行為を行っていたり、債務者側が一部のお金を返済したり、お金を借りていることを承認している場合には、借金の時効の期間は中断しています。

 

 

単純に最終返済日から5年経過するだけで事項が成立するわけではないので、消滅時効の援用を受けるには注意が必要です。

 

 

 

現実的には、非常に厳しい借金の時効の条件

とはいうものの、現実世界においては、このような借金の時効の成立ということはとても難しいです。

 

 

なぜなら、銀行のローンや、大手の消費者金融会社などからお金を借りる契約の際には、必ず保証会社が、貸金を保証する形で契約に入っているからです。

 

 

この保証会社というのは、実質的には債権回収会社と同義です。

 

 

つまり借金の回収に関してはプロ集団という意味です。

 

 

このような借金回収のプロの保証会社が契約に噛んでいる場合がほとんどなので、たやすく借金の時効など成立させません。

 

 

保証会社は、債務者がのうのうと借金の時効を成立させないあらゆる手段を持ち合わせていると考えた方が良いでしょう。

 

 

上で少し触れたように、債務者が下手に借金の時効、つまり消滅時効の援用通知などを送れば、その途端に保証会社に居場所を突き止められて、取り立てなどの措置を逆に食らってしまいます。

 

 

現実として、このような債務者は、夜逃げなどを繰り返して債権者の借金の取り立てから逃げ回っているので、債務者の住所に裁判所を通して督促しても本人には届かないことがほとんどのケースです。

 

 

ですが、裁判所を通した通知の場合、「公示送達」といって、裁判所の掲示板に債務者への呼び出し状を貼りつけることによって、債務者本人に督促状が届いたのと同じ意味に判断されることになります。

 

 

督促状が届いたということは、債権者から請求を受けたことになりますので、借金の時効の成立が中断されることになります。

 

 

 

まとめ

一昔前の話であれば、借金の時効を成立させることはまだ可能性があったかも知れません。

 

 

だから、夜逃げが流行った時代が合ったかも知れませんね?

 

 

確かに商法522条によって、借金の時効自体は認められていますが、現実社会で成立させるとなると、保証会社が契約に入っている以上、ほぼ不可能なのが現実です。

 

 

このようなリスクを冒してまで、借金の成立を狙う意味がどこにあると言うのでしょうか?

 

 

夜逃げをしたり、ホームレス同然の身になって、借金の時効を目指しても、ほとんど成立しないのです。

 

 

人生の無駄遣いとしか思えませんよね。

 

 

債権者から逃げて、借金の時効を目指すぐらいなら、借金問題の解決として、現実的に自己破産などの債務整理を行うほうが良いと思いませんか?

 

 

きちんと法的な措置として自己破産を行い、免責許可を得て借金をチャラにし、人生の再建をした方がよほど有意義で健全だと思います。


 
自己破産,借金の時効