自己破産で免責不許可になる可能性はどのくらいですか?
様々な事情から、銀行や消費者金融その他に借金を重ねて債務超過に陥ってしまう人は後を絶ちません。
中にはその借金まみれになってしまった理由というのが、同情の余地のあるものではなく、ギャンブルや過剰な遊興費による浪費といったケースもあります。
債務超過の借金地獄となってしまった状態では、自力でこの先借金を返済していくことは不可能になるケースも多いわけです。
このような場合には、債務者は法律的な解決である債務整理を検討するのが普通です。
特に、免責許可という特例措置を同時に受けることのできる自己破産は、多重債務者の最後に縋る救済措置です。
しかし、自己破産を考えるほど追い込まれている債務者の中には、上記のようなギャンブルや浪費など好ましからぬ理由から借金まみれになってしまった人々も一定数いるわけです。
こういった人たちは、自己破産が本当に認められるのか?
免責許可が得られない可能性が高いのではないか?
と、借金の理由が理由だけに二の足を踏んでしまいがちです。
自己破産を申し立てて、破産手続きが進み、自己破産自体は成立したけど、肝心の免責許可が受けらない可能性が高くなるのではないか?
ギャンブルや遊興費で借金を作ってしまった場合には、免責不許可事由に該当する可能性が高いのではないか?
こういった憂慮をしてしまうわけです。
ここでは、以下において、自己破産を申し立てた場合に実際に免責不許可になってしまう可能性はどのくらいあるのか?を考察していきたいと思います。
実は「免責不許可」になる可能性は極めて少ない。
ギャンブルや遊興費などが原因で債務超過になるほど借金まみれになってしまった人は、自己破産を申し立てても免責許可を受けられない可能性が高いのではないか憂慮してしまいます。
実際、「免責不許可事由」にはそのような項目もあるので当然ですね。
では、現実問題として、このような債務者が自己破産を申し立てた場合に、どれくらいの可能性、確率で「免責不許可」になっているものなのでしょうか?
『破産実務Q&A』という専門書を見てみましょう。
この専門書には、実際の自己破産の際の統計資料が掲載されています。
平成23年度における統計資料は以下の通りになります。
申請件数=10万7879件
免責許可=10万5169件
免責不許可=174件
取り下げ/却下=2536件
といった具合です。
つまり、自己破産を申請した全体のうち、実に97.4%に及ぶ債務者が免責許可を受けることができているわけです。
更に、「取り下げ/却下」を行っている人が全体の2.3%もいるので、自己破産を申請しているのに免責不許可になった人の割合は、僅か0.16%しかいないわけです。
つまり、自己破産を申し立てたほとんどの人が免責許可を受けることができていると言えると思います。
ですから、債務超過で借金まみれになってしまった理由が、たとえギャンブルや浪費や投機の失敗といったものであったとしても、免責不許可に実際になる可能性はかなり低いと言えます。
ただ、軽く考えすぎてもいけない!
「な~んだ!心配して損した!ギャンブルにハマって借金まみれになっちゃった俺でもなんとかなりそうだね!」と、ほっと一息ついている多重債務者の方も多いのではないでしょうか?
現実の自己破産の実態を示した『破産実務Q&A』を見ると、確かにそう考えても自然だと思います。
ギャンブルや投資、または遊興費などで借金を重ねてしまった場合でも、自己破産を申し立てれば、免責不許可になっている可能性はかなり低いことが見て取れるからです。
ただし、ほとんどすべての人が免責許可を受けられるからといっても、軽く舐めて考えることは禁物です!
まさか、隠し口座はありませんよね?
もしかして、隠し財産があるのではないですか?
このようなケースでは、バレてしまうと免責不許可になる可能性は格段に上がります。
第一、そんなにイージーになんでもかんでも免責許可が受けられるのであれば、弁護士や司法書士などの法律の専門家に依頼する必要ないですよね?
債務者が自分でやってしまえば弁護士費用は1円もかからなくて済むし、自己破産手続きを債務者自身がやって免責許可を受けられる可能性が高いなら、弁護士はいりません。
しかし、実際にはそんな甘いものではないので皆専門家に自己破産を依頼しているという事実を考えてみてください。
決して、なんでもかんでも免責許可が受けられるものではないのです。
あくまでも、要領のわかっている専門家に自己破産を依頼すれば、免責不許可になる可能性は低くなるというだけのことです。
自己破産以外にも検討できる債務整理の手段
とはいうものの、やむをえず生活苦などから債務超過に陥ってしまった場合と違い、ギャンブルや遊興費が嵩んで借金まみれになってしまったケースでは、免責不許可になる可能性は低くはないです。
こういった自己破産を申し立てても免責不許可になってしまう可能性のあるケースでは、自己破産を依頼した弁護士や司法書士などの専門家は先回りして自己破産以外の債務整理の手段を勧めることがあります。
専門家の目から見て、「これは免責許可を受けられる可能性が低いな」と判断した場合には、即座に方向転換した方が得策でリスクを回避できるからです。
また、仮に弁護士などが受託して自己破産手続きを進めたとしても、裁判官の判断で自己破産以外の債務整理の方法を勧めてくる場合もあります。
これは、裁判官の目から見てこのまま自己破産手続きを進めていっても、免責不許可になってしまう可能性が高いという見通しが立ってしまう場合です。
先に紹介した『破産実務Q&A』の統計資料においても、取り下げ/却下が2.3%も存在するのは、このような事情によるものだと思われます。
このように、専門家の目から見て、免責不許可にになる可能性が高いと判断されるケースでは、その意見に従うのが賢明です。
法律の素人である債務者自身の判断よりははるかに正しいからです。
このように免責許可が受けられる可能性が低いと判断された場合には致し方ないことですが、素直に専門家のアドバイスに従ってください。
自己破産以外の債務整理の手段に切り替えても、借金を減額できたりできますし、借金の利息自体を無くしたりすることも可能なのです。
ですから、免責不許可の可能性が高いので自己破産以外の債務整理方法を勧められた場合でも腐らずに、粘り強く取り組んでいく姿勢が大事です。
まとめ
債務超過で、自己破産を申し立てた場合、自己破産で免責不許可になる可能性はどれくらいかを考察してきました。
免責不許可事由というものは存在し、ケースによっては、免責許可が得られない可能性も高くなりますが、一概には判断できません。
まずは、下記にあるボタンから借金減額の無料診断から専門家に相談してみるのもありですね。